虫歯が進行し、歯の内部にある神経や血液が含まれる部分である歯髄にも影響が及んだ場合、神経の治療が必要になります。その神経の治療のことを「根管治療」といいます。

近年、自費診療の根管治療を行う医院が増えてきました。藤尾歯科医院でも以前より自費診療の根管治療を行なっております。
根管治療における保険診療と自費診療の違いをご説明したいと思います。

保険診療でおこなう根管治療

保険診療での根管治療は肉眼もしくはルーペを使った治療や二次元のレントゲンで診断するのが一般的です。これでは暗く複雑な根の中を正確に把握することは難しいです。今では歯科用顕微鏡を使う医院も増えてきています。

根管治療時にはファイルと呼ばれるヤスリのようなものを使用するのですが、高性能なものは高価になり、保険診療で新しいものを毎回使用することはコスト的に難しいため滅菌をして複数回使うことが一般的です。しかし、複数回使用したファイルは根の中で折れるリスクが高まります。

藤尾歯科医院でおこなう自費診療の根管治療

当院では歯科用顕微鏡が４台あり保険治療、自費診療に関わらず使用し、診断には最新の歯科用CTを使用し三次元画像にて診断することで、複雑な根の中を正確に把握しより適切な治療を行うことができます。

自費診療の根管治療では患者さんごとに全て新しいファイルを使用します。また、仮にファイルが破折してしまった場合も、歯科用顕微鏡を使用しているので除去することができます。

藤尾歯科医院では超音波器機と薬液で根管の洗浄をおこないます

根管治療において重要なことは根管洗浄です。前述したファイルのみでは根管の中の汚れを完全にきれいにすることは難しいです。当院の自費診療の根管治療ではラバーダムを装着しPIEZO FLOWといった特殊な超音波器具（患者さんごとに単回使用）と薬液を用いて化学的に時間をかけて洗浄します。

大切な根管充填

そして重要なことのもう一つは根管充填です。根管の中をキレイにした後はその根の空洞を封鎖する必要があります。
保険診療での根管充填はガッタパーチャポイント（以下GP）といってゴムみたいなものをシーラーといった接着剤を併用して詰めます。
しかしGPは歯質と接着するわけではないので漏洩し再感染したり、あまり大きな根管や複雑な根管では封鎖する事が難しいです。
近年、海外で一般的に用いられているのがMTAセメントです。MTAセメントとは、歯質接着性がありセメント自体に殺菌作用があるにも関わらず非常に生体親和性が高い材料です。またMTAセメントで充填した歯牙は歯根破折が有意に減少するといわれています。
このように素晴らしい材料ですが、操作性が難しいのと保険診療での根管充填は認められていません。

藤尾歯科医院ではこのMTAを15年以上前より使用し、開発者のProf TorabinejadやDr. George Bogenなどと言った世界的MTAの権威の先生方のハンズオンコースを受講し適切な方法で使用しております。
MTAセメントも色々あるのですが当院での自費診療ではPRO ROOT MTAという最も論文があり信頼できるオリジナルのMTAを使用します。

歯の痛みの原因を正しく診断

あとはやはり大切な事は診断です。多くの自費の根管治療を行なっている医院は問題ないと思われますが、当院にはその歯の痛みが歯が原因ではないのに他院で治療して治らないと言われる患者さんも多く来院されます。非歯原性疼痛の場合は根管治療では治りません。その場合適切な薬剤を投薬する必要もあります。

院長はトロント大学の歯内療法のインターナショナル認定プログラムを修了し海外基準の根管治療を行なっております。